このサイトについて

山形の方言への関心と、
消えゆく言葉を残したいという思いから始まったプロジェクトです。

「のー」「にゃー」「ずー」の境界線が気になった

きっかけは、語尾につく「のー」「にゃー」「ずー」の境界線がどこにあるのか気になったことでした。 山形県内でも、庄内・最上・置賜・村山で語尾の雰囲気が少しずつ違います。 さらに同じ意味の単語でも、地域によってまったく別の表現になることがあります。

県内なのに、言葉の境界線がある。しかもその線は、市町村の境界とぴったり一致するわけではない。 その曖昧さが面白く、調べて残したいと思いました。

このサイトでは、「どの地域の人が、どの年代で、どの言葉を今も使っているのか」を少しずつ集めています。 方言を懐かしいものとして眺めるだけでなく、現在進行形の言葉として記録していくための場所です。

村山地方
ずー / にゃー
語尾・相づちにあらわれる言葉
最上地方
にゃー / じゅ
最上らしさが出やすい語尾
置賜地方
ずー / ごで
置賜の会話で聞かれる表現
庄内地方
のー / やー
庄内の発話で印象に残る語尾

消えゆく言葉を、聞こえるうちに残したい

方言は、誰かが急に使わなくなるものではなく、世代が変わる中で少しずつ使われる場面が減っていきます。 国立国語研究所は、庄内地域の鶴岡を含む大規模な経年調査で、共通語化・言語生活・言語変化の将来予測を研究対象にしています。 また生活総研「未来年表」には、2030年の予測として「このころ山形県鶴岡市で生まれる子どもたちから方言的な発音が消える」という項目が掲載されています。 これは井上史雄明海大学教授による、1950年から続く鶴岡市の言語調査をもとにした観測として紹介されているものです。

だからこそ、今どの言葉が使われていて、どの言葉が「聞いたことはあるけれど使わない」状態になっているのかを知りたいと考えています。 昔の文献に載っている単語が、今も生活の中で使われているのか。その調査はこれから本格的に進めていきます。

文献の単語リストと、現代の調査結果を重ねることで、山形の方言が「どこで残り、どこで変わりつつあるのか」を見えるようにしていきます。

方言は、その地域で生きてきた人の記憶や暮らしが入った言葉です。 使う人が少なくなる前に、できるだけ具体的に残しておきたいです。

参考: 国立国語研究所「日本語の大規模経年調査に関する総合的研究」 (鶴岡調査データベースを含む経年調査)、 生活総研「未来年表」方言検索

2つの調査を分けて、あとから重ねて見る

このサイトは、山形県内の方言を「地域」「年代」「意味」「現在の使用状況」から見られるようにするためのダッシュボードです。 このサイトで行っている調査は、大きく2つです。 ひとつは、市町村ごとの言い方を集めて地図に表示する「方言分布調査」。 もうひとつは、単語帳にある言葉を今も使うかどうかを確認する「単語使用調査」です。

たとえば「かきまぜる」を、地域によって「かます」「けもする」「がいろがいろ」などと表すことがあります。 同じ意味でも違う言い方があること、同じ言い方でも地域や年代によって使われ方が違うことを見える形にしていきます。

現在は、語尾・感謝・感情・食・雪・動作など、日常の場面で出てくる言葉を中心に集計しています。 分布調査では、同じ意味に対して地域ごとにどんな言い方が出てくるかを見ます。 単語使用調査では、文献から整理した単語を1語ずつ出題し、「使う」「聞いたことはある」「使わない」の差を調べます。

調査データについて

調査状況
2026年から現在進行形で収集・反映中 随時更新
対象
山形県内在住・出身者、山形にルーツを持つ方(一部県外在住者も含む)
調査の種類
方言分布調査と、単語帳をもとにした単語使用調査の2種類
回答形式
分布調査は市町村ごとの言い方を集計します。単語使用調査は「使う」「聞いたことはある」「使わない」を1語ごとに保存します。
データ保管
Firebase Firestore と補助的な静的データ。個人名は表示用データに含めません。
地図データ
国土数値情報(行政区域データ)をもとに作成
制約・注意
地域・年代ごとの回答数に偏りがあります。現時点の結果は確定的な分布ではなく、今後の回答で更新されていく途中経過です。

今の言葉と、文献に残る言葉を照らし合わせる

これから調べたいのは、昔使われていた単語が今も使われているかどうかです。 文献に残る言葉を単語リストとして整理し、その語を現在の山形の人が「使う」のか、「聞いたことはある」のか、「使わない」のかを集めます。 その結果を、分布調査の市町村データと重ねて見られるようにしていきます。

そのために、庄内弁・最上弁・置賜弁・村山地方の言葉を大きく分け、さらに市町村や小地域ごとの違いも見られるように整えていきます。 ルーツと現在の住まい、年代をあわせて見ることで、言葉の移動や残り方も追えるようにしたいと考えています。

あなたの方言を教えてください

山形出身・在住の方は、方言分布調査または単語使用調査にぜひご回答ください。
あなたの言葉が、方言の地図と単語帳の現在地を少しずつ更新していきます。

単語使用調査に答える
Joe Igarashi(五十嵐 丈)
山形県鶴岡市を拠点に活動するフォトグラファー。 地域で出会う言葉や風景への関心から、山形の方言を記録・共有するこのプロジェクトを進めています。
Kotograph / Joe Igarashi のプロフィールを見る →
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